〈働き女子〉「やりたいことが分からない」と感じる心理と解決のヒント

「やりたいことが分からない」という”働き女子”のお悩み

「やりたいことが分からない」というのは、よくカウンセリングでもご相談いただくことのひとつです。

「やりたいことが分からない」と感じながら日々を過ごしている時、たとえ現状がうまくいっていたとしても、このままでいいのかな、と悩むこともあると思うんです。

うまくいっている分、誰かに相談することも、どこか遠慮してしまうこともあるのではないでしょうか。

実はこの状態、深層心理では、【やりたいことが見つかっては困る】と感じているのかもしれません。

そこで今回は、20代、30代の”働き女子”が抱えやすい「やりたいことが分からない」と感じることの深層心理について解説します。

ぜひこの記事から、「やりたいことが分からない感じる理由」と「やりたいことを見つけていく方法」について知っていただければと思います。

目次

「やりたいことが分からない」と感じる”働き女子”の心理

「やりたいことが分からない」と感じる状態としてまず考えられるのが、

周囲の期待に応える気持ちを優先するあまり、自分の欲求、つまり「やりたいこと」を抑圧する心理

が働いている、ということです。

周囲の期待に応えることを最優先にするとき、「誰かのやりたいこと」は全力で叶えようとする一方で、

「自分のやりたいこと」は後回しになることがあります。

そんな人がもし、「自分のやりたいことが分からない」と感じているとしたら、

そもそも「自分のやりたいこと」にフォーカスしたことがなく、意識を向けることに慣れていない状態といえるのではないでしょうか。

更にこの状態、深層心理では

自分のやりたいことが見つかってしまったら、これまで周囲の人の期待に応えてきたけれど、もう自分はそれができなくなるのではないか・・・

という自分自身に失望する怖れを感じている、といえます。

「もし周囲の期待に応えなければ、周りをがっかりさせてしまうかもしれない」

そんな不安や怖れの気持ちがあるからこそ、自分自身を優先できないのかもしれませんね。

つまり、大切な人と関わる時、自分のことよりも相手のことを優先する気持ちが強くなり、同時に自分の欲求は後回しになるために、「自分のやりたいこと」が分からなくなっている可能性がある、ということなんです。

ただこの状態、実は、自分の心が傷つかないために(これまでの安全を守るために)、作り出しているといえるんですよね。

ここが、すごく大切なポイントなんです。

つまり、自分の欲求を優先すると、大切な人が傷つき、それを感じた自分が傷つく。自分自身が対人関係の中で生きづらさを感じることにもつながってしまう。

そんな風にならないため(大切な人が傷つかないという心の安全性を保つため)に、自分のやりたいことを見ないようにしている、と考えられるのです。

こう考えると、自分のやりたいことを抑圧し、誰かの期待に応えている状態が「心の安全」になっているというのは、なんだか切ない話だなぁと思うんですよね。

「やりたいことが分からない」という状態は仕事・恋愛にも影響する

さて、この「やりたいことが分からない」という状態は、日常の様々な場面で影響してくると考えられます。

例えば、仕事や恋愛など、人と密に関わるようなシチュエーションにおいて、

自分の気持ちよりも相手の期待・欲求を優先するとしたら。

相手の気持ちを理解する意識が常にあるからこそ、円滑に仕事を進められたり、パートナーと揉めることもなく過ごせたり、一見何も問題がないように感じるでしょう。

実際、問題は起こっていないのかもしれません。

ただ、私たちは、自分の気持ちを分かってもらうと嬉しいと感じるものです。

だからこそ、自分の気持ちは分かってもらえないなぁと寂しい感覚を抱くことも、実際あると思うんですよね。

ですが、「やりたいことが分からないことで心が傷つかないようにしている」という状態だと、この「自分の気持ちをわかって欲しい」という欲求さえも、「心の安全を脅かすもの」つまり、感じてはいけないものとしてしまう可能性があります。

結果、自分の気持ち・欲求を更に抑圧することに繋がり、「やりたいことが分からない」という状態を強めることにもつながっていくのですよね。

その状態だと、自分の気持ち・欲求は「そもそも叶わないもの」として認識した方が楽だと感じたりもします。

そして、仕事に対しても、パートナーに対しても、もう期待するのはやめよう、こんなもんだと、どこか諦めや失望のような気持ちを持ってしまうこともあるかもしれません。

ただ、

もし、本当はやりたい仕事があったとしたら。

もし、本当はパートナーと楽しみたいこと、叶えたいことがあったとしたら。

この期待しない状態、結構苦しいんじゃないかな、なんて思うんですよね。

「やりたいことが分からない」という状態が悪いわけではない

「やりたいことが分からない」という状態は、周囲の期待に応えている状態、とお伝えしました。

周囲の期待に応えることは、全く悪いことではないと思うんですよね。

いつも誰かの幸せを願っている、つまり、大切な人や、関わる人を、心から大切にしている状態、といえますから。

ただ、そのときもしかすると、気づいていないものがあるかもしれないなぁなんて思うんです。

それは、そんな心から人を大切にする人のことを、同じく大切にしている人の存在についてです。

例えば、職場でいつも助けてくれる人がいたとしたら、自分も相手が困っていたら、助けてあげたいと思いませんか?

例えば、恋人がいつも自分を喜ばせようとしてくれていたら、自分も同じように恋人を喜ばせたいと思いませんか?

私たちは、それがたとえ自分が何かしてもらっている、欲求を叶えてもらっている側だとしても、一方通行(もらってばかり)の愛情には、なんだか心苦しくなったり、申し訳なくなったりしてしまうものなんですよね。

やっぱり、自分も、何かしてあげたいし、喜んでもらいたいと思うものなのかなと。

もちろん、自分の欲求を抑えて、誰かのために行動すること自体は、悪いことではないんです。間違ってもいないんです。

ただ、それしかないと、相手は、あなたを愛する術を失ってしまう、といいますか。

せっかくの相手を大切にしたいという気持ちが、相手の無力感や、申し訳なさ、つまり罪悪感を感じさせることにつながるとしたら、すごく悲しいなと思ったりするんです。

だからこそ、大切なのは、一方通行ではない関係性なんですよね。

つまり、自分の欲求も、相手の欲求も、どちらも叶う状態を作ることが、すごく大切なんじゃないかなと思うんです。

それは、

自分の欲求を抑えて、相手の欲求をできるだけ叶える

という意識から、

自分の欲求を叶えることと、相手の欲求を叶えることのバランスをとる

という意識に変えていく、というイメージです。

これが、自分のやりたいことが少しずつ分かるようになることにつながってくると思うんですよね。

「自分のやりたいこと」を大切にする方法

では、ここからは、実際に「自分のやりたいこと」が見えてきたとき、それを大切にする方法について、いくつがご紹介したいと思います。

自分の「好き」を意識的にとりいれる

まずは、自分が「好きだな〜」「いいな〜」と思ったものは、意識的に生活の中に取り入れることをお勧めしたいと思います。

自分のやりたいことが分からない状態の時は、「好き」や「いいな」という感情があまり感じにくくなる場合があります。

逆説的ですが、ポジティブな感情を感じると、自分の欲求と繋がりやすいため、やりたいことも見つかってしまうんですよね。

だからこそ、自分がやりたいことを大切にするためには、自分の「好き」を日常の中で意識的に取り入れていくことが大切になります。

自分のために「時間」を使う

ふたつめは、自分のために「時間」を使ってあげるということです。

冒頭でも解説した通り、誰かの期待に応えているときというのは、オートマチックに自分のための時間ではなく誰かのために時間を使っていることになります。

だからこそ、最初は自分のために時間を使うことが、なんだかすごくわがままなように感じたり、申し訳ないように感じることもあるかもしれません。

そう感じるということは、実際に相手のためにどれだけ時間を使っていたか、どれだけ人を大切にする人なのか、という証明にもなると思うんですよね。

そんな自分自身のために、ぜひ、意識的に時間を使ってあげることを意識してみて欲しいなと思います。

誰かに「お願い」することに慣れる

みっつめは、誰かに「お願い」することに、ぜひ慣れてほしいなと思うんです。

誰かからお願いされると喜んで助けになろうとする一方、自分からお願いすることって、慣れていない方が多いのではと思うのですよね。

というか、もしかしたら、自分の欲求を抑えていたために、誰かにお願いするという発想さえ持てなかったという場合もあるかもしれません。

お互いがお願いできる関係性というのが、一方通行を脱し、お互いに大切にしあえる関係性をつくることに繋がります。

ぜひ、あえてお願いをしてみる、ということにチャレンジしてみるのもおすすめです。

さいごに

「やりたいことが分からない」という状態は、自分の心が傷つかないため、自分の心の安全性を守るためだとお伝えしました。

そう聞くと、やりたいことが分からないと悩んでいたけれど、実は自分の安全のためだったのかと。誰かの期待に応えてきた時間は、なんだったのかなと、ちょっとやるせない感覚が出てくることもあるかもしれません。

ただ、私が最後にお伝えしたいのは、

「やりたいことがわからない状態で誰かのために行動してきた」という時間も、自分自身も、一切否定する必要はないということなんです。

だって、大切な人を大切にするための最善の方法として、「相手の期待に応えること」が、その時の自分自身の中でベストな方法だった、ということだと思うんですよね。

自分の欲求を優先すると、大切な人が傷つき、それを感じた自分も傷ついてしまう。

この感覚をもっていたからこそ、自分の欲求よりも、相手の期待に応え、誰も傷つかないようにしたのではないでしょうか。

その感覚、いつからもっていましたか?

例えば、

・学生時代、好きな係に立候補したら、他にもやりたい人がいたと知って申し訳ない気持ちになった。
・彼に欲しいものを伝えたら、困った顔をされてしまった。
・自分の気持ちを親に伝えたけれど、一方的に反対されてしまった。

こんな経験があると、いつしか自分の欲求を出すことが怖くなったり、ダメなこと、誰かを悲しませることだと感じることも、あるかもしれません。

例えば、カウンセリングや信頼できる人との対話の中で、

こういった過去の経験を洗い出してみたり、自分の願いを知っていくことで、自分のやりたいことに気付いていくこともあります。

そして、実際にやりたいことにフォーカスできるようになっていくことも、あると思うんです。

やりたいことをやりたいと言える自分になってみませんか?

私も、やりたいことをやりたいと言えなかった人間です。

だからこそ、そんなあなたを心から応援したいな、と思っています。

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