最近は働き方も自分で選択できるような時代になってきましたよね。
会社に所属して働くこともできるし、個人で仕事をすることもできる。
自分に合った環境を自由に選びやすくなったというのは、私たちにとってメリットは大きいんじゃないかなと感じたりします。
ただ、自分で選べる選択肢が増えたからこそ、今後のキャリアについて悩むことも増えてくるのではと思うんです。
実際に、
今の会社で働き続けることがいいのか?
そうだとしたら、どんなキャリアが自分にとってベストなのか?
それとも、転職した方がいいのか?
そんなキャリア選択のお悩みをいただくことも、結構多いんですよね。
そこで今回は、その中でもよくテーマに挙がる「昇進したくない」という心理について、20代〜30代の”働き女子”に向けて書いてみようと思います。
よろしければ参考にしてみてください。
「昇進したくない」と感じる心理
「昇進したくない」感じる時の心理状態についてまずは考えてみたいと思います。
「昇進したくない?昇進したらお給料も上がるし、嬉しいんじゃない?」
と感じる人からすると、このお悩みってあまり想像がつかないかもしれませんね。
でも、結構、「昇進したくないなぁ」と感じる人って多いんです。(実際、私もこの気持ちに悩んだことがあります)
実は、この「昇進したくない」という状態、深層心理では【周りに迷惑をかけることが怖い】と感じている状態かもしれません。
特に、
「大変な時もあるけれど、仕事に対してやりがいや充実感を感じている」
「転職について考えることもあるけれど、今すぐ考えたいという程、会社に不満があるわけではない」
「周りから頼りにされたり、評価してもらえることは嬉しい」
こんな風に、今の仕事の環境や周りとの関わり方に大きな不満はない。
にも関わらず、「昇進すること」に対して”よくわからない抵抗感”のようなものを感じることがあるとしたら。
先にご紹介した【周りに迷惑をかけることが怖い】という心理が隠れている可能性が高いかなぁと思うのです。
「昇進したくない」と悩んでいるときに考えやすいこと
ただ、「昇進したくない」と感じたとき、実際に頭に浮かんでくることは、
・仕事内容が合っていないのかもしれない
・そろそろ自分のキャリアの転換期なのかもしれない
といった、現状の仕事や職場環境について”もしかしたらベストじゃないのかもしれない”という疑いの気持ちかもしれません。
もしくは、
・自分は働くことを楽しめないのかもしれない
といった風に、「働く」ということに対する自分自身の性格や価値観を少し悲観的に捉える気持ちの場合も考えられます。
もしかすると、昇進したくないと感じる自分を、なんだか良くないものと感じてしまうこともあるかもしれないな、と思ったりもするんですよね。
もちろん、実際に今の働く環境について考える時期だったり、自分のライフスタイルを見直す時期だったり、本当に変化のタイミングである可能性も、十分あると思います。
ただ、こういった考えが「昇進」というキーワードが出てきたタイミングで、急に強く感じたとしたら。
少し立ち止まって、「仕事への感情や意欲」よりも「なぜ昇進ということに抵抗があるのか?」についてフォーカスし、考えてみることをオススメしたいんですよね。
そしてその時にポイントとなるのが、【周りへの関わり方とセルフイメージ】なんです。
「昇進したくない」という気持ちに隠れた心理パターン
ではここから、「昇進したくない」という気持ちに隠れた心理パターンをみていきたいと思います。
周りとの関わりの中で見えるセルフイメージ
まず、周りから頼りにされたり、評価してもらえることが多いとしたら。
そのことが示すのは、
・周囲と良好な関係を築いている
・責任感が強い
・仕事ができる
・コミュニケーションがうまくとれる
こんな、すごくポジティブな要素があるということだと思うんです。
周りからは、「流石だなぁ」「すごいなぁ」「尊敬するなぁ」なんて思われている、といえるんじゃないでしょうか。
そしてそう思われていることは、事実として、自分自身も認識できる場合は多いかもしれません。
まぁ多少受け取りにくい場合もあるかもしれないですが(笑)
ただ、もしそう思われていることが、「今の自分のポジションだから」だと自分自身が感じていたとしたら、どうでしょうか?
例えば、
・今は、リーダーとして、責任者に相談しながら仕事の案件を進めている。
・メンバーからは頼りにされて、相談にのったりもしている。
・実際、ほとんどの進め方やアウトプットは一任されているし、責任者からも信頼されている。
という状況の人が、「昇進したくない」という気持ちを感じるとしたら。
自分に対する周りからの評価やスキルを、「自分にあるもの、持っているもの」としてではなく、「今のリーダーのポジションだからこそ持っているように見えるもの、発揮できるもの」として捉えている可能性があるんです。
「本当の自分は大したことはないけれど、今のポジションだからなんとか価値としてみてもらっている」というような感覚といえるかもしれません。
つまり、
「仕事もできるし、実際に評価もされているんだから、昇進すればいいよ!」
「とりあえずやってみたら、あなたならできるよ!周りの評価を信じよう!」
なんていう、単純なことではないと思うんですよね。
そこには、
昇進してしまったら、今よりもスキルを上げる必要がある。
でももしそれができなかったら、自分の力不足によって、「周りに迷惑をかけてしまう」「役に立てない自分になってしまう」
そんな大きな怖れがあると考えられるんです。
言い換えると、自分自身の中にある【周囲への悪い影響力】をなんとか回避したいと感じているとも言えます。
昇進することが、周囲に悪影響かもしれない。
こんな深層心理が隠れていれば、「昇進したくない」と感じることは十分にあり得るなぁと思うんですよね。
セルフイメージの形成と影響
これほどまでに「悪い影響力」を回避したいと感じるということは、自分の中に悪い影響力があると”信じている”状態とも言えます。
だって、元々ないものであれば、回避する必要はないですからね。
そう思うに至る理由は、人それぞれあると思います。
例えば、
・子供の頃に自分が行動したことで、親や友達を悲しませたことがある
・いじめなど、自分には価値がないように感じてしまった経験がある
・良かれと思って行動したことが、相手にとっては迷惑だったことがある
・自分がリーダーシップをとった時にうまくいかなかった経験がある
など、自分の意思とは反して周囲に悪い影響を与えてしまったと感じる過去の経験があると、セルフイメージとして「自分は周囲に悪い影響を与える人だ」という観念が入ってしまうんですよね。
もしくは、悪い影響を自分に対して与えた人、もしくは周囲に与えている人に出会った時、その人に対して怒りを持っている場合は、「あんな人には絶対にならない!」と自分に強い禁止をすることもあります。
すると、どちらのパターンであっても、
そんな悪影響を与える自分にならないように警戒し、ある意味自分を監視しながら人と接することになります。
そして、人から評価されたとしても「嬉しい」ではなく「悪い影響を与えなくてよかった」という安堵のような気持ちが強くなることもあると思うんです。
つまり、ここでのポイントは、どれだけ評価されても、周りから頼られても、本当の自分に対する評価や信頼ではなく、本来の自分を隠すための自分に対するものだと感じ、評価や信頼を受け取れないということなんですよね。
それが、今回のテーマである「昇進したくない」というパターンの場合、
今現在の人との関わり方であれば、悪い影響を与えなくて済む=昇進してはいけない
という気持ちとして、出てくると考えられるんです。
ただ、この【周囲への悪い影響力】を与えるということ、真実なんでしょうか?
「昇進したくない」には「価値」が隠れている
よく考えてみると、そこまで自分の悪い影響力を気にしているということは、
なんとしても相手を悪い気分にさせたくない、ということですよね。
「なんとかいい影響を与えられる人でありたい」という、強い願いが隠れていると思うんです。
それって、
周りの幸せや成功を心から願っている、ということだと思いませんか?
もし自分の都合だけを考えていれば、悩むことはないと思うんです。
もちろん、自分の都合を考えることが悪いというわけではないですよ。
ただ、周りの幸せや成功を願っている自分自身に気づかないまま周囲と接していることで、
逆に自分勝手なように感じたり、この場にいてはいけないのではと思ったり、最終的には誰にも自分の気持ちは伝わらないなという虚しさのような感覚もでてくるかもしれないなと。
周りの幸せや成功を心から願っているひとの影響力が、悪いものであるわけないのに、です。
そんな自分であること。
「悪い影響」ではなく「いい影響」を与える自分であること。
それをまずは知るということが、大切だと思うんですよね。
***
現実に起こっていることはうまくいっている。
なのに、スムーズに気持ちが前向きになれない。
今回のテーマだと、「昇進したくない」という”よくわからない抵抗感”のようなものを感じる。
そんな出来事と心の間に矛盾や葛藤が生まれた時、なかなかそこから自分の価値を見つけることって難しいなと思うんです。
どちらかというと、こんな自分はおかしい、ダメだ、そんな気持ちになることもあるのかなと。
だからこそ、きちんと自分の中にある価値を見つける意識をもつことは、すごく大切だなと感じるんですよね。
さいごに
今回は「昇進したくない」と感じた時の心理について解説しました。
「昇進したくない」といったどこか後ろ向きな悩みは、”自分の中にある”抵抗感として捉えやすいと思うんです。
つまり、そのことを考える時、無意識に”自分ひとり”だけ登場するんじゃないかなと。
ただ、私たちが悩む時というのは、基本的に誰かとの関わりの中で発生するものが多いと思うんです。
だからこそ、自分ひとりではなく相手がいる、周りの人がいる環境の中で、「自分は周りに何をしたい人で、このことで悩んでいるんだろう」と考えてみることは、結構重要かな、なんて思うんですよね。
といいつつ実際、この記事を書きながら、ネガティブな感情から自分の中に価値をみるって結構難しいなぁと、私自身実感したというのが正直なところです。笑
自分の価値を見ること、自立女子さんは苦手だったりしますしね。
そんな時は、心を許せる相手や、信頼できるカウンセラーと一緒に自分と周りの関係を見つめていくというのも一つの方法かなと感じています。