「私は嫌われている」と感じやすい心理と、3つの改善策

私は嫌われていると感じること、ありませんか?

「〇〇さんから、もしかしたら嫌われているかも・・」という感覚、感じたことがある人も多いんじゃないかなと思うんです。

例えば、ちょっときつい言い方だったり、声が小さかったり、早口だったり、語尾が強かったり。

どんなときに「嫌われているかも」と感じるかは、それぞれ違うかもしれませんね。

ただ、「嫌われているかも」と感じたとき、「嬉しい!やったー!」という気分にならないというのは、共通しているといえるのではないでしょうか。もちろん例外はあるかもしれませんが。

それに、「嫌われているかも」というのは、自分の身に覚えがない時に感じやすく、だからこそ不安にもなると思うんです。

私も感じたことがありますが、なかなか辛いなぁと思います。理由が分からないというのは、そもそも私たちにとって恐怖ですから。

実はこの、「嫌われているかも」と感じる状態、相手から自分に矢印が向いているように思いますが、心理的には【自分自身の中で起こっていること】と言えるんですよね。

だからこそ、自分の心理的なパターンを見ていくことで、少しずつ改善されることもあるのではないかと思うんです。

そこで今回は、「私は嫌われている」と感じやすい心理と、3つの改善策について書いてみようと思います。

目次

「私は嫌われている」と感じやすい心理的な理由

ではここから、嫌われていると感じやすい心理的な理由について、よくあるパターンを3つご紹介していきたいと思います。

パターン① 自己概念が「嫌われる自分」になっている

自己概念とは、セルフイメージの事を言います。

ポジティブなものもネガティブなものも両方あり、例えば、

・私は周りの人にこんな風に接する人間である
・私は周りの人からこんな風に扱われる人間である
・私は○○で貢献できる人間である
・私は○○ができない人間である

など、自分で自分に貼りつけている自己イメージだと思っていただくと分かりやすいかもしれません。

さて、そのセルフイメージが、「私は周りの人から嫌われている人間である」だとしたら、どうでしょうか?

一説によると、私たちは3歳~4歳ごろに自己概念が形成されるそうです。
赤ちゃんの頃よりも少しずつできることが増え、年齢が上がるにしたがって親のしつけも増えてくる頃ですね。

その過程で、

・親からよく怒られていた
・お手伝いをしようとしたら断られた
・弟や妹の世話で両親にかまってもらえなかった
・学校でいじめられた経験がある

などといった、ネガティブな体験があるとしたら。

たまたまその時、何か自分や相手に事情があっただけ、環境がそうさせただけだったかもしれないのに、「どうせ私は嫌われる」とあたかもそれが自分の全てかのように感じてしまうことがあるようです。

そして、そのイメージのまま成長し、どんな環境になっても、関わる人が変わっても、勝手にそのイメージが想起されてしまうのですね。

パターン② あなたが嫌った誰かへの「投影」が起こった

次は、心理学ではおなじみの投影です。

投影とは、【自分が過去にした行動に関して、同じ状況下では相手も同様に行動するに違いない】と思う心理法則の事です。

今回のテーマを使って分かりやすく言うと、過去、嫌いな人に自分がした態度を誰かからされると、相手も私を嫌いに違いないと思ってしまう。ということです。

例えば、

 嫌いな人とは関わらない(無視する)という人は、誰かに無視されると嫌われていると思います。
 →もしかしたら、相手は声をかけられたことに気付いていないだけかもしれないのに。

 嫌いな人のLINEはブロックするタイプだと、他人からLINEの返事が遅いと嫌われていると思います。
 →もしかしたら、今忙しいだけかもしれないのに。

 (少しマニアックですが)嫌いな人には”あえて”ニコニコして本性を明かさないタイプだと、他人がニコニコと話しかけてきたら警戒してしまうでしょう。
 →ただ好意的に思ってくれているだけかもしれないのに。

こんな風に、過去の投影によって「自分は嫌われているかも」と感じることもあるようです。

パターン③ 相手や自分に期待する気持ちを無意識に持っていた

これはちょっと耳が痛い話かもしれないし、自分ではなかなか気付きにくかったりするものです。

私たちは、あまり知らない相手である程、勝手にイメージを作ったりします。
例えば、

・あの人はきっと優しくていい人で、どんな時も笑顔で話をしてくれるはずだ
・あの人はおっとりしていて、癒しの声でゆっくり話すはずだ
・あの人は明るくて元気で、楽しく話をしてくれるはずだ

こんな風に、相手について「こんな人」と自分の中で決め、ある意味期待するんですよね。

心理学では、期待は必ず裏切られる(期待は失望に変わる)と言われています。

というのも、相手に対して「○○してくれるはず!」と期待した分だけ、そうしてくれなかった時の失望は大きくなってしまうんですよね。

例えば、優しく笑顔で接してくれると期待していた人から、(もちろん相手に悪気はなくても)クールな対応をされたとしたら。

なんとなく、想定外で裏切られた気持ちになってしまうことって、誰しもあると思うんですよね。

優しくして欲しいという自分の望みが強ければ強いほど、それが叶わなかったと、悲しい気分になる度合いも大きいと思うんです。

そして、自分が嫌われているから期待通りの反応ではなかったんだ…と、自分を責めるということをしてしまうこともあるかもしれませんね。

それが真実かは、別として。

ちなみに、期待は自分にもしています。

「私はこんなに丁寧に接しているのだから、相手もそれに応えてくれるに違いない」などと言った期待です。

この場合ももちろん、相手が思うように応えてくれなかった場合、失望に変わります。

つまり、どんな形であれ、過度に期待してしまうというのは、結果として失望になってしまうといえるんですよね。

「私は嫌われている」と感じる時の、3つの改善策

ではここから、「嫌われていると感じやすい」ことへの改善策を書いてみようと思います。

① 自己概念を少しずつ変えてみる

ずばりキーワードは、「それって本当にあなたのせい?」です。

前編で例に出した、怒られたり断られたり、いじめにあったりという体験は、いとも簡単に私たちに「私が嫌われている」という自己概念を作り上げます。

さらにいうと、「私が嫌われているのは私が悪いからだ」という自己概念になることが多いのではと思います。

要は、自分は悪くてちっぽけでダメな人間だと自分を責めているという状態です。

でも、それって真実でしょうか?
例えばこんな風に考えることもできませんか?

・親からよく怒られていた
 →親が仕事で忙しく、イライラしていることが多かったなぁ

・料理のお手伝いをしようとしたら断られた
 →仕事で遅くなり、お母さんは急いで料理を作る必要があったのかなぁ

・弟や妹の世話で両親にかまってもらえなかった
 →私だからかまってもらえなかったんじゃなく、何もできない赤ちゃんが死なないように、両親は面倒を見る必要があったのかもしれないなぁ

・学校でいじめられた経験がある

 →学校が閉鎖的な雰囲気で、みんなにフラストレーションがたまっていたのかもしれないなぁ

つまり、何が言いたいかというと、必ずしも、あなたのせいではないんです。

環境や相手がおかれた状況が、その事実を創り出したと、考えることもできると思うのです。

上の例を客観的にみてみると、そう感じませんか?

でも私たちは、自分が体験したネガティブな出来事は、自分のせいだと無意識に認識してしまうことが多くあります。

だからこそ、こんな風に私が悪い→環境や状況に原因があるかも?と考えてみることがとても大切かなぁと思います。

② 投影を取り戻す

大前提として、自分と他者は違うという事を認識することが大切です。

今回のテーマを使うと、「私は苦手な人がいたらこんな態度だけれど、みんなそうとは限らないということに気付く」これがまず大切です。

これは、全ての出来事に共通することです。
ただ、一つお伝えしておきたいのは、人は基本的に自分の過去の経験を投影して人間関係を円滑に回しています

だから、投影をやめるっていうのは無理な話なんですよね。笑

例えば、下記のような投影を使って、自分と周りをハッピーにすることもできます。

・昔私がされて嫌だったことは、しないようにしよう
・昔私がされて嬉しかったことは、人にもしてあげたい
・昔○○をして楽しかったから、友達にも紹介しよう
・昔○○な失敗をしたから、一緒に働く仲間にも注意喚起してあげよう

ただ、もし投影を使って自分の人間関係が円滑にいかないことが起こっているとしたら。

そこに何か勘違いがないか?自分と他者は違うという認識が抜けていないか?を考えてみてもいいかもしれません。

③ 期待ではなく”願い”にする

先にもお伝えしましたが、期待は失望に変わってしまうんですよね。

でも、期待って誰もがするもので、しないようにするって難しいと思うんです。
特にこれまで頑張ってこられた方ほど、どうやったら期待に応えられるか?ということを意識し、それを叶えるためにいろんな努力をされてきた方もいらっしゃるのではと思うのです。

そこでご提案したいのが、期待する代わりに、「こうだといいなぁ~」という”願い”に変換するという事です。

例えばこんな感じです。

・あの人はきっと優しくていい人で、どんな時も笑顔で話をしてくれるはずだ
 →優しくて笑顔で話をしてくれたらいいなぁ~
・あの人はおっとりしていて、癒しの声でゆっくり話すはずだ
 →おっとりして癒しの声だったらいいなぁ~
・あの人は明るくて元気で、楽しく話をしてくれるはずだ
 →明るくて元気で、楽しく話ができたらいいなぁ~

ちょっと、やわらかくなったように感じませんか?

この変換は、私の気持ちと相手の気持ちをどちらも尊重している状態と言えるのではないでしょうか。

もし、自分の願い通りじゃなかったとしても、必要以上の期待をしていない分、「残念だな~」とは思うかもしれませんが、「最悪だ!!がっかりだ!!」と大きな失望は起こりにくいかなと思います。

このように、起こることへのコントロールをやめていくことで、自分も相手も無理しない状況をつくっていく。
これが人間関係をうまくいかせるコツだと私は感じています。

さいごに

自分が嫌われていると感じると、わたしたちはその人に好感を持つことって結構難しくなると思うんですよね。

ただ、「嫌われている」と感じて悩むというのは、そもそもその人と良好な関係を築きたいと感じているからといえます。

つまり、その人に対して好感が持てない、愛せない自分でいることに、私たちは苦しみます。

自分の中に元々あった思いに気付くこと。
これが、第一歩かもしれないなと思います。

また、「嫌われているかも」と思いやすい人って、「全員から好かれたい」という気持ちを持っている可能性もあるんですよね。

だって、嫌われるって、やっぱり嫌じゃないですか。笑

そこで、個人的に知っているだけで気持ちが楽になるなぁという法則があるので、最後にご紹介したいと思います。

2:6:2の法則って、聞いたことないでしょうか?

簡単にいうと、集団心理として、2割はあなたに賛同、6割は普通、2割は反対するという法則です。

つまり、誰でも、2割の反対は存在するし、賛同も反対もしない人は6割存在するんです。でも、もしあなたの中に、

・自分に対して賛同してくれる人(好意的な人)
・自分に対して反対する人(嫌いな人)

この2つの選択肢しかなかったとしたら。

6割の、あなたに喜んで賛同はしないけれど反対もしていないという人(=普通の人)は、自分を嫌う人になってしまうんですよね。

つまり、合計で8割が反対派のように感じてしまいます。(これはかなりアウェーな感じがすると想像できますよね…)

この考えをもつというのは、あなたが普段から周りの人に丁寧に友好的に接しているという証でもあるかもしれません。

その場合は、

あなたが「一般的にみんなが基準としているものよりも、実は周りにかなり友好的であるらしい」ということ。

そして「全員に好かれるというのは無理で、それが普通である」と知ること。

このふたつを思い出すことで、ちょっと気持ちが楽になることもあるんじゃないかなと思ったりします。

ただ、今回ご紹介したのはほんの一例です。

実際には、この「嫌われているかも」という感覚をもつ背景には、これまで過ごしてきた環境や、自分自身の成長の過程や、人との関わりなど、さまざまな事情が絡み合って起こっているなぁと、色々な方のお話を伺う中で思ったりします。

つまり、事情やそこに生まれる葛藤はみなさんそれぞれだなと。

まずは、「嫌われているかも」と感じやすい自分自信を、無理やり変えよう!と思ったり、よくない感覚だと思うのではなく、丁寧に扱ってあげて欲しいなと思うんですよね。

「嫌われている」つまり、「人からの拒絶」を1人で扱うのは、結構しんどいと思うんです。

だからこそ、信頼できる人や、カウンセラーと一緒に自分自身を見つめていただくことをおすすめしたいテーマだなと感じています。


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