「怒り」についての心理解説と「怒りの感情」の使い方について

「怒り」の感情についてどんなイメージがありますか?

「怒り」を持っているときって、相手を批判したくなったり、自分を正当化する理由をぐるぐる考えてしまったり。

なかなか、自分自身にとってもしんどい時間ですよね。

そして最後には、深い自己嫌悪に陥ることもあると思うんです。

私自身、「怒り」を感じることを禁止していた時期があります。
正確に言うと、気づかないふりをしていました。

でも、どうしても、瞬間的に怒りの感情をもつことってあるじゃないですか。笑

要は、禁止したとしても、出てくるものは、出てきますよね。

だからこそ、この怒りの感情をうまく使えないかなぁなんて、考えていたんですよね。

そこで今回は、私の昔のエピソードを例に出しながら、怒りについての心理と使い方について書いてみようと思います。

目次

怒りの感情を考える前に大切なこと「自分の感情に責任をもつ」

まず先にお伝えしておくと、基本原則として、「自分の感情に責任を持つ」というのはとても大切です。

なぜなら、ネガティブな感情を他人のせいにしている限り、

「あの人のせいで私は不快だ!」=「あの人が変わらない限り私はいい気分になれない!」

と、他人に自分の感情の主導権を渡してしまっている状態だから。

これはつまり、「私にはどうすることもできません」と諦めていて、その状態である限り、物事はあまりいい方向に進みにくいかなと思うのです。

なので、「自分の感情に責任を持つ」ことは、どんな感情を感じたときにもとても大切です。

「怒り」の感情を感じる心理的な理由

さて、私が怒りを感じたエピソードというのは、同僚(以下Aさん)に「あの仕事、もっと良くなると思うよ」という言葉を言われた場面でした。

それだけ…?

そう思った方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなんです。自分でもそう思います。笑

でも、すごくイライラした感情を持ったことを覚えています。

これ、実は、【普段から自分で自分にダメ出ししている部分に触れたから】なんですよね。

***

先に分かりやすい例でお伝えしてみたいと思います。

例えば、背が高い女性BさんとCさんがいたとします。そしてそれぞれの自己イメージはこうです。

Bさん「背が高いと、スタイルが良く見えてラッキー」
Cさん「背が高いと、可愛くないし自分は恋愛対象として見られにくい」

この2人が「背が高いね!」と友人から言われたとして、それぞれどう感じると思いますか?

BさんとCさんの感情の違い

Bさんは、背が高いということをポジティブに捉えているため、何も気にならないんじゃないかなと思います。

だから、
「そうなの、〇歳の時に急に背が伸びて~」とか「両親の遺伝なんだ~」とか、普通に会話として返すかもしれませんね。少なくとも、嫌な気持ちはしないでしょう。

一方Cさんは、背が高い=恋愛に不利だとネガティブに捉えています。

なので「背が高いね!」という言葉に「どうせモテないって言いたいんでしょ!」「私に彼ができないのはこの身長のせいだ…」と相手に怒りが込み上げてきたり、切ない気持ちになると想像できますよね。

同じ特徴を持った人が、同じ言葉を言われても、自己イメージによって解釈がこんなにも変わる。

つまり、相手に対してイライラしたり怒っているときは、実は自分の劣等感やコンプレックスが刺激され、自分を責めている状態といえます。

このように人は、自分にダメ出しをしている部分について相手から何か言われると、

相手の態度や言葉に関係なく、責められたような気持になり、怒りを感じてしまうのです。

「怒り」には自己攻撃が隠れている

今回の私のエピソードで感じた怒りは、Aさんの「あの仕事、もっと良くなると思うよ」に対して、

「私だってそう思ってるよ(完璧にできていない罪悪感)
「じゃああなたがやれば?(Aさんの方が仕事ができるという劣等感)
「どうせ私は必要とされていないんだ(無価値感)

これらを感じ、自己攻撃をしたからだったんですよね。

そしてそれに耐えきれず、Aさんが悪い!と相手に怒りを持ったようなのです。

でも自分の感情に責任を持ち、普段から自分で自分にダメ出ししている部分が反応しただけなんだと気づいたとき、同僚へ感じた怒りは勝手に手放せていました。

そして、自己攻撃している部分を癒す方向にシフトできたように感じます。

「怒り」の感情は、一気に手放さなくてもいい

もちろん、
「でもやっぱりあの言い方は良くないよね?」とか、
「何にも知らないくせに」とか、

怒りの気持ちがその後全くでなかったかというと、嘘になります。

それは仕方がないことですよね、人間ですから。

でもその度に、自分で変換するんです。

「あ、今、どの自己攻撃に触れたんだろう?」と。

そして、それを癒すことに意欲を持ち続けること。
それが、怒りの使い方のような気がしています。

怒りの感情は自体は悪いものではありません。

でももし、そのせいで嫌な気分が続いているとしたら、

ぜひ、「自分にダメ出しをしていないかな?」という視点を取り入れてみるといいかもしれません。

さいごに

ちなみに、怒りには3形態あるといわれることがあります。

怒りの3形態
(1)相手にぶつける怒り
(2)「私が悪いです」と、引きこもる怒り
(3)自分は無関心な様子でも、周りをイライラさせる怒り

もちろん、どの怒り方が良い悪いという話ではないですが、日本人の国民性的にも、相手に怒りをぶつけるのって、苦手な人が多いように思います。

だから、今回の私のように、「こっそりイライラする」という怒り方をされている方って、結構多いんじゃないかな~と思い、エピソードを例に出しながらこの記事を書いてみました。

怒りの感情というのはなかなか衝動的なものですし、コントロールするのは難しいですよね。

だからこそ、そこにある自分の本当の気持ちに気づいていくことをお勧めしたいなと思っています。

参考になれば幸いです。

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