恋人に「好き」と伝えられないのはなぜ?その心理について考える


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恋人に「好き」と言えますか?

突然ですが、恋人に「好き」と言えますか?それとも、言えませんか?

先日部屋の片づけをしていたら、過去にいただいた大切なお手紙が入った箱が出てきて、久しぶりに読み返していました。(片付けしようとして手が止まる瞬間第一位じゃないでしょうか?笑)

その時、ふと思い出したことがあります。

昔お付き合いしていた人に、お手紙を書いたときのこと。確か、お相手のお誕生日だったかな。
手紙の最後に「大好きだよ」と書こうとしたんです。

でも、書けない。どうしても、書けない・・・。

で、どうしたかというと、1時間ぐらい悩んだ末に、紙にデザインされていたキャラクター(かわいい猫ちゃん)に吹き出しをつけて、ちっちゃくちっちゃく書いた記憶があります。笑

今思い出すと、何それ!?と笑えるエピソードですが、当時の私は真剣に悩んでいたんですよね。
好きな人に、「好き」とどうしても言えなかったんです。

恥ずかしいとか、怖いとか、よくわからないけど、漠然とした嫌ぁ~な感覚があったんです。

まぁ、手紙に書けないぐらいですから、もちろん直接伝えることもできません。
可愛くない彼女で申し訳ないなぁと、彼に罪悪感も感じていました。

だって日本人だし!察する文化よね!と言い訳をしていた時期もあります。

でもこんなに悩むということは、何年も前のエピソードを覚えているという事は、本当は「好き」って言いたかったんだなと、素直に伝えたかったんだなと、今では分かります。

カウンセラーになる前は、こんなことで悩むのは私だけだと思ってました。

でも、色々な方のお話をお聞きさせていただく機会も増え、「これってもしかしたら、みなさんにとってもあるあるなのかも?」って思ったんです。

それなら、同じように悩む人に、少しでも何か届けられたら、と思いました。

そこで今回は、なぜ恋人に「好き」と伝えられないのか、という心理について考えてみようと思います。
よろしければ最後までお付き合いくださいね

「好き」と伝えられないのは、成長にともなう心の変化による

私たちの心も身体は、思春期を境に大きな変化をむかえます。

特に、中学生ぐらいになると、私たちの身体は子供から大人の身体に変化していきますよね。

それによって、身に着けるものが変わったり、興味があるものも変化していきます。

そのとき私たちは、猛烈に「恥ずかしい」「隠さなければ」という自我意識(自分への認識と他者からどう見られているかの意識)が生まれてくると言われています。

ちょっと思い出してみていただきたいのですが、みなさん子供の頃って、「お母さん大好きーー!!」って普通に言えてませんでしたか?

そして、お母さんから「大好きだよ~!愛してるよ~!」と言われても、素直に喜べたのではないでしょうか。

でも、大人になった今、「お母さん大好き!」って、言えますか…?

もし普通に言えるよ!言ってるよ!って方がいたら、尊敬の拍手を送りたいと思います!笑
素晴らしい!
言えない方、結構多いと思うんですよね。なんだか恥ずかしくて。

こんな風に、好きな人に好きと言えなくなるのが、思春期以降なのかなと思います。

と同時に、心理的な作用として、大好きな両親に好きと言わず、いわゆる反抗期として両親と距離をとればとるほど、私たちは別に好きな人を作りたくなるようです。

だから、この思春期以降、恋愛感情を持ったりお付き合いをしたりする人も増えてくるのではと思うのですよね。

ちなみに最近は、幼稚園や小学校時代から彼氏彼女がいるらしいと聞いたりもします。

でもまぁその頃の恋愛って、ほっぺにチューとか、ルンルンで手をつなぐとか、なんだか可愛らしいキュートな恋だったりするんじゃないでしょうか。

一方で、思春期以降の恋愛感情というのは、小学校ぐらいまでに感じていた「○○ちゃん、○○くんが好き!」という感情とは少し違ってきますよね。

例えば、「近づきたい」「キスしたい」「ハグしたい」など、性的な欲求も含めた感情です。

でもその変化って、思春期の私たちにとってはすっごく気持ち悪いものなんです。
タブーで、バレちゃいけないもののような感覚といえば分かりやすいでしょうか。

だからその自分を「隠すべきもの・汚いもの」と思えば思うほど、自分の欲求を隠したり、「好き」を表現しにくくなるようです。

「好き」が伝えられないとき、心の中に自己嫌悪が隠れている

また、原因は人それぞれ違いますが、なんらかの傷ついた経験から「自分は駄目だ・迷惑だ」「自分は嫌われている」などという否定的な感情を持つと、

・自分は誰かを幸せにできる存在ではない
・こんな私が好きと言っては迷惑をかける
・好きと言って相手が反応してくれなかったら立ち直れないから、そのリスクを冒すぐらいなら言わない方がいい

などといったエゴの声が、自分の感情表現を邪魔してくるようになることもあるようです。

エゴの声とは、「もう傷つきたくない!」という心が、これ以上傷つく行動をしないように危険信号を出してくるものとイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。

私たちは何かしらの原因でひどく傷ついたとき、傷ついた過去の自分を否定・禁止し、未来の行動を制限します。
傷つかない為には、人と積極的に関わらない、のめりこまないことが一番ですから、気持ちを伝えることがおっくうになることは想像しやすいでしょう。

ちなみに、このエゴの声というのは、これ以上傷つく経験をしないよう”自分を守るための声”ともいえます。
だから、完全に悪でははないのかなと個人的には思っています。
ただ、必要以上にエゴの声が大きくなっていくと、私たちは自分の気持ちに素直になることが怖くなります。
そして誰かを愛することができなくなってしまっては、少しもったいないなぁ思ったりするのですよね。

「好き」と言えない自分への向き合い方

では、「好き」と言えない自分への向き合い方について、いくつか書いてみようと思います。

もしその自分を責めているとしたら、一度やめてみる

大前提として、伝えられないことに悩んでいるということは、伝えたい気持ちがあるということとも言えますよね。
つまり、”うまく”伝えられないとしても、あなたの中に相手を想う気持ちや愛はあるのです。

相手を想う力が強い人ほど、自分の中にある愛は軽視して、うまく愛することができない自分を責めるようです。言い換えれば、下手な愛し方なんて無意味だと、心のどこかで思っているのかもしれません。

本当にそうでしょうか?

一番大切なのは、愛したいという気持ちがあなたの中にあるという、その事実です。

そして人は、自分に優しくできた分だけ、人にも優しくできます。
まずはその自分の中にある愛を認めることから始めてみることをおすすめしたいなと思います。

今の気持ちをそのまま相手に伝えてみる

もし、実際に今伝えたい人がいる場合は、

「恥ずかしくて言えないけれど大切に思っているよ」とか、
「ストレートに言う事が苦手なんだ」とか、

苦手なことも含めて、そのまま相手に伝えてみるというのもおすすめです。

特にパートナーシップは、秘密が少なければ少ない程特別な関係となり、親密さが増すと言われています。
否定している自分の気持ちを伝え、相手に受け入れてもらう経験は、より2人の関係をいいものにするでしょう。

また、自分を責めている時、私たちは相手から自分に向けられた愛に気付きにくくなります。
でも、あなたが素直な気持ちを伝えることは「話してくれた」と相手にも喜びを与えていることを、ぜひ意識してみてくださいね。このように少しずつチャレンジすることで、自分の気持ちも素直に伝えやすくなるのではと思います。

誰かに頼ってみる

とはいっても、どうしても伝えられない、嫌悪感がでてきてしまう、ということもあるかと思います。

そんな時は、ぜひ信頼する誰かにその気持ちを共有してみてください。
「そっかー、それは悩むよね」と言ってもらえるだけで、ふっと心が楽になることもあります。

またカウンセリングを受けてみることで、なぜ自分が上手く気持ちを伝えられないのか原因に気付き、根本的に悩みを手放すきっかけを作れるかもしれません。

ぜひ、どんな形でもいいので、誰かに共有してみるということをしてみてくださいね。

さいごに

愛を伝えられないって、辛いんですよね。

人は愛したい生き物なのに、自分の愛をちっぽけに扱い、思いっきり愛することを我慢している状況ですから。

例えるなら、目の前に大好きなケーキがあるのに「別にそんなに好きじゃないし」と言いながら、嫌いなふりをしている状態。
そう考えると、好きを言わないことって、誰も得しないなぁと思います。

好きな人に、好きと言えるあなたになってみませんか?

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