恋人やパートナーなど、心理的な距離が近い大切な人と価値観が合わないと感じるのは、とても悲しいことですよね。
これから一緒に過ごしていけるのだろうか?
このままでいいのだろうか?
そんな風に不安になることもあると思うんです。
そんなとき多くの人が「”私たち”の関係」について悩むと思うんですよね。
それが間違っているわけではありません。
むしろ、2人の関係について考えるのはとても大切なことです。
ただ、大切な人との価値観の違いに悩んでいるとき、深層心理では、
〔2人の関係性〕ではなく大切な人を理解してあげられない自分自身に苦しんでいるとも考えられるんです。
この視点、相手との関係性で悩んでいる時にはなかなか気づきにくいのですが、特に大切な人との関係を築いていくうえでとても大切な視点だと思うんですよね。
ということで今回は、
「恋人やパートナーと価値観が合わないと感じる心理的な理由」について解説していこうと思います。
恋人やパートナーと価値観が合わないと感じる心理
さて、恋人やパートナーと価値観が合わないと感じる状態というのは、
「相手と分かり合えない」と感じている心理状態といえるでしょう。
そして、分かり合えないということをもう少し分解すると、
「相手が自分のことを分かってくれない」と「自分が相手のことを分からない」
この2つの気持ちに分けることができると思うんです。
誰かと分かり合えないと感じるとき、2つのうちどちらかだけの気持ちを持つことはあまりないと考えられます。
どちらも持っていて当たり前だと思うんですよね。
ただ、恋人やパートナーのことを大切にしたい、幸せにしたいという気持ちが強い人ほど、「相手のことを理解したい」という気持ちがとても強いんです。
つまり、相手のことを理解したい気持ちが強いほど、相手を理解できないことに苦しむのではないでしょうか。
また、少し矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、
理解できない部分が”どの部分なのか”分かっていれば、
「どうすれば理解できるようになるか」「どこまでだったら理解できるか」
という風に、ある意味解決策というか、歩み寄る方法というか、そういったものも考えられなくはないと思うんです。
ただ、もし相手を理解したいと強く願う人が、
・頑張ったけれど理解できなかった
・そもそもなぜすれ違っているのか分からなくなった
という状況になった場合、その状態の自分に大きな失望を感じると思うんですよね。
私たちは、失望が大きいと抱えきれず、相手を責める心理状態になることもあります。
本当は、恋人やパートナーという大切な人でさえ理解することができない自分に失望し、責めている、心優しき人ということなんですけどね…。
恋人やパートナーと価値観が合わないことに悩む理由
大切な人と価値観が合わない状況が起こった時、相手のことを理解したいと願う心優しき人ほど、大きな失望を感じてしまうとお伝えしました。
さて、そんな心優しき人が、そもそもなぜ恋人やパートナーと価値観が違うことにそこまで悩み、失望するかというと、
その理由はこれまでの関係性や、パートナーとの関わり方に起因すると考えられます。
例えば、
・パートナーと過ごす時間をとても大切にしてきた
・積極的にコミュニケーションをとっていた
・お互いに意見が違うことがあっても、相手を理解しようと努力してきた
こういった関わり方をされてきた場合、
これまで自分なりに相手を大切にしてきたし、2人の関係性をより良いものしようとしてきたということだと思うんです。
それなのに、
大切な人と価値観が合わないとしたら。
大切な人を理解できないとしたら。
大切な人と一緒にいることが辛いと感じてしまうとしたら。
もう、自分にできることなんてないのかもしれないと感じることになりますよね。
いわゆる、無力感と呼ばれるものです。
こんなお話を聞かせていただくたびに、私がいつも思うのは、
これほどまでの無力感を感じるほど、恋人やパートナーを愛したかった方なんだなぁということだったりします。
ご本人は、そうは思われていないことが多いんですけどね。
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そして、更に深い深層心理をみていくと、
大切な人と価値観が違うことに悩み、無力感を感じているとき、
【自分自身が恋人やパートナーを理解することでしか、もうこの関係は続けることができない】
という気持ちを持っている可能性が高いんですよね。
すごく辛いですが、そう思うしかなくなってしまっている状態とも、言えます。
本来、恋人やパートナーとの関係というのは、お互い苦手なことをフォローし合えたり、一緒に楽しいことをしたり、2人だからこそ味わえる幸せがあるものだったりします。
にも関わらず、2人でいるのに”自分1人が相手を理解するしかない”と感じる状況というのは、2人でいること自体が辛くなるということも起こり得るのではないかと思うんです。
そして、その相手を理解するということ自体もできなくなったと感じるとき、
つまり、無力感だけを感じるようになったとき、
もう自分にできることは【別れることだけ】という結論に至ってしまうこともあるのではと思ったりするんですよね。
これはとても悲しい結論ではないでしょうか。
恋人やパートナーと価値観が合わないと感じた時の抜け道は「信頼」にある
では、大切な人と価値観が合わない時の抜け道ってあるのかな、ということについて考えたいと思います。
ここでのキーワードは、
相手と自分の本当の気持ちをみる
ということだと思うんですよね。
ここまで書いてきた通り、大切な人と価値観が合わないということが苦しいのは、相手を理解できない苦しみだと言えます。
この状態、今起こっている結果だけをみると、確かに相手を理解できなかったと感じているかもしれませんね。
でも、ぜひ考えてみて欲しいんです。
これまで、どれだけ大切な人を理解しようとしましたか?
これまで、どれだけ真剣に相手との関係性に向き合ってきましたか?
もしかすると、自分にとっては当たり前のことだったかもしれません。
みんなにやってるよ、と思うことかもしれません。
でも、もし当たり前だったとしたら、それこそが愛情深さを表していると思うんですよね。
その事実を、そんなに価値のないものとして、扱っていないでしょうか。
そして、そんな”愛情深い人”が”特別な存在として選んだ”パートナーです。
きっと、パートナーも、同じように愛情深い方だと思うんですよね。
この、パートナーのあり方に気づいていくということが、とても大切だと思うんです。
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もしかしたら耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
パートナーというのは、お互いに同じ感情を持っていると言われています。(表面上はそう見えないことの方が多かったりするのですが、実は根っこでは同じ感情を持っていることが多いのです)
今回のケースに当てはめると、
「相手と価値観が合わない」という悩み。
それによって生じる失望や無力感。
そして、自分が相手を理解するしかなく、それすらもできないという悲しみ。
そんな感情をお互いに持っているとしたら、どうでしょう。
大切なパートナーも、自分も、お互いに相手をなんとか理解したい、愛したい、一緒にやっていきたい、と思っているにも関わらず、相手から自分に向けられている愛情には気づけない状況になってしまっているなぁと思うんです。
もちろん、そうなるには理由があります。
お互いに相手に愛情を与えたいと願っていること。それ自体、本当に素晴らしいことです。
それなのに、相手からの愛情に気づけない、というのは、とても切ないことだなと思うんですよね。
だからこそ、ここでは、”自分が選んだパートナーへの信頼”ということが、重要なテーマになってくると思うのです。
もちろん、愛する側(つまり自立)の恋愛において、パートナーを信頼し、自分に向けられた愛情に気づいていくというのは、結構ハードルが高いことは理解しています。
でもここで、「どう愛するか?」と「どう愛されるか?」このバランスを整えることによって、お互いに愛情を受け取れる関係性にしていくこともできるのではないでしょうか。
そうすることで少しずつ、「恋人やパートナーと価値観が違う」という悩み自体が、違った形になっていくんじゃないかなと。
あえて具体的に言うと、価値観が違うという悩みから、自分の愛情や相手の愛情に気づき、2人にとって居心地のいい関係性を築くきっかけになっていくこともあるのかなと思うんです。
それは、2人の価値観が一致するということではありません。
そうではなく、お互いの愛情が、責任感だけではなく、心のつながりを取り戻していくことで、これまで悩みだったことが2人の関係性をより深めるきっかけともなり得る、ということをお伝えしたいんですよね。
「自分が理解しない限り相手との関係が続かない」と感じる理由
そもそも、「自分が理解しない限り相手との関係が続かない」と感じる理由としては、色々なものがあると思います。
自分が理解してもらう経験が少なかったり、
分かってもらえないと傷ついたことで自立した過去があったり、
何らかの悔しいような、悲しいような経験から、「自分が理解する側」になり、それが人との関係性を保つうえで重要な要素になっているという可能性もあるんじゃないかなと思うんです。
いわゆる、理解する側に立つことでの”成功体験”のようになっている、とも言えます。
それ自体、例えばビジネスでの商談やミーティングの場や、友達とのコミュニケーションにおいて、すごく役に立つ自分自身のあり方だったりします。
だから、その要素自体は、スキルとして、ぜひ大切にして欲しいなぁなんて思うんですよね。
ただ、先ほども書いたように、大切な人、心の交流が重要な人に対しては、少しその要素を緩めてみる。
その選択ができるといいな、なんて思ったりします。
そして、なぜ、いつから、「自分が理解しない限り相手との関係が続かない」という感覚を持つようになったのか。
その事情に気づいていくことで、自分の要素をうまく使い、自由な人間関係や幸せなパートナーシップに繋げていくことができるのではと感じています。
さいごに
今回は、「恋人やパートナーと価値観が合わないと感じる心理的な理由」についてお伝えしました。
価値観が合わない状態と価値観が合う状態を比較すると、”価値観が合う方が話が通じやすい”ということもあるかもしれませんね。
ただ、価値観が合わないから、相性が悪いのか?というと、必ずしもそうではないと思うんです。
だって、愛情深く、相手を理解したい、愛したいという想いが強いほど、価値観が合わないと感じやすいとも言えますから。
そんな愛情深い人同士の恋愛が、愛したいが故に終わりを迎えてしまうというのは、なんとも悲しいなぁなんて思います。
もちろん、最終的にお互いの愛情を理解したとしても、相性が悪ければ別れるという選択肢になることもあります。
だからこそ、
未来にどうなるか?ということよりも、まずは、自分の愛情や相手の愛情を正しく理解すること。
悩みがあるということが、自分にとって何を示しているのか気づくこと。
このことが、恋愛・パートナーシップにおいて、自立のみなさんには有効なのではないかなと。
そして、恋愛・パートナーシップにとどまらず、もし自分自身の人生において何か生きづらさを感じているとしたら、それを少し軽くすることにもつながってくるのではと感じています。